大橋ブログ

木の外壁 いいんだけれどもな〜

Date : 2016.06.17 / Category :

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天然の木の外壁が増えてますよね。
経年とともに変わってゆく風合いや素材感は本当に魅力的です。
けれど私たちが設計を進めてゆく中では、多くの家の プランニング段階で採用を見合わせて、お施主様にはご納得をいただくことが多くあります。

心配事は火災に対する対応なんですよね。

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建築基準法上では、防火準防火地域 においては 外壁の耐火時間がそれぞれ細かく設定されています。 詳細に記してゆくと膨大になりますので、端折っていくと概ね木造住宅の場合ですと お隣の境界線から 一階は3m 2階は5m を耐火の壁にしなさいと定められています。

これが何を表しているのかを 工務店さん メーカーさん プランナーさんなどに聞いてみてください。 火事にならない為という回答であったら✖️です。 回答は 避難できる時間の確保の為定められた時間だけ燃え広がらないようにする定めです。

私も地元の消防団に20年以上在籍していました。 大きな火災に出動し消火活動をした事は何度もあります。 実際の火災時には5m や10m などあっという間に燃え広がります。
家一軒が丸ごと燃えた場合 20m以上は簡単に延焼する事も目の当たりに体験しました。

そうなると 防火指定が無く確認上は問題が無くてもよほど敷地に余裕があったり 外構で延焼を防ぐ工夫ができなければ市街地に於ける住宅には気軽におススメすることが出来ないのが本音です。

家造りという一生に一度の大きなプロジェクトにお施主様のリスクを考えず 申請上はOKだから良いでしょうとは、設計を学び 家造りを学び そして法律を学んだ立場では簡単には言えません。

※ でも安全と確信できればやりたいです。 他の会社の人達はなぜ簡単にあの立地条件で作ることが平気なのか 疑問にも思います。